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統合失調症

 統合失調症とは、幻覚、妄想などのいわゆる陽性症状、感情の平板化、自発性欠乏などのいわゆる陰性症状と、軽度の認知機能(理解、判断、論理などの知的機能)障害を主徴とする精神疾患です。

男性、20代後半(院長の医学的経験に基づき創作した事例)

【上司から産業医への相談】「監視されている」「陥れられる」などと訴え、突然廊下に飛び出して「うるさい」と大声を出したりする部下がいる。

【経過】X年8月より、社員の同僚から上司に対して、心配の声が寄せられるようになった。「君は僕を監視して陥れようとしているでしょう、と言われた」「悪霊に取り憑かれていると言っていた」「何も言っていないのに、黙れと怒鳴られた」といった内容である。

 上司は、どう対応すべきか判断に迷っていたのだが、社員が研修中に突然廊下に飛び出し、「うるさい、黙れ」と大声で叫ぶに及んだのを契機に、これはただ事ではないと判断し、社員に産業医面接を受けさせることを決断した。

【産業医面接時所見】X年11月に面接を行った。幾分切迫した様子で、質問される前に自ら延々と話し続けていた。「四六時中、会社でも、自宅でも、風呂やトイレですら監視されている」「隠しカメラ、盗聴器が仕掛けられている」「いろいろな人の話し声が聞こえる。だんだん人数が増えてきている」「研修会の時は、聞こえてくる声に耐えられなくなってしまった」等と病的体験について語り、妄想と幻聴が、1ヶ月以上の期間に渡って持続的に存在していることが判明した。

統合失調症を描いた映画

 ビューティフルマインド(2001)

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