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パニック障害(パニック症)

 予期しない、すなわち何の前触れもなくきっかけもなく唐突に生じるパニック発作(動悸、呼吸困難、震え、発汗、めまい、吐き気といった症状が突然現れ、死にそうな恐怖を伴う)を繰り返すことにより、パニック発作の再発に対する不安(予期不安)が強まります。

 パニック発作が生じた時にただちに逃げ出すことができない、あるいは助けを求めることができない状況を恐れ(広場恐怖)、回避するようになる場合があります。なお、「広場」とは、開放空間のみならず、駅やショッピングモールなど人々が集う場所、飛行機や新幹線の中など逃げ出すことが困難な状況、あるいは列に並ぶなどの行為状況など、広い概念です。

男性、30代前半(院長の医学的経験に基づき創作した事例)

【経過】小規模事業者にて納入後の保守業務を担当していた。納入した機器については、複数の人員で保守を担当していたのだが、離職者が相次ぎ、一人で担当せざるを得なくなった。1日24時間、年間365日、顧客からの電話連絡に応答せざるを得ない状況となった。全く電話がかかってこない日もあれば、1日に複数回かかってくる日もあったが、いつ電話がかかってくるか、いつ電話がかかってくるかと、慢性的に緊張して過ごす生活を強いられた。

 顧客からは怒りの電話がかかってくるため、丁重にお詫びして、業者に対して修理の手配を行った。業者の都合で修理が遅くなると、重ねて顧客から叱責された。

 ある日、電車に乗って会社に向かう途中で、突然、胸痛、呼吸困難が出現、さらには手足と唇がしびれだし、このままでは死ぬのではと感じると共に床に倒れ込んでしまい、最寄り駅から救急搬送された。病院に着く頃には症状は治まっており、諸検査でも異常は指摘されなかった。その後、同様の発作が会社で勤務中にも生じ、再び救急搬送された。

 検査で異常はないと言われたものの、逆に発作に対する不安は大きくなり、電車通勤が困難になったのみならず、24時間365日スタンバイの業務に従事する自信も全くなくなってしまい、精神科を受診の上、休業療養することになった。

パニック障害を描いた映画

 アナライズ・ミー(1999)

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