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適応障害

 適応障害は、原因となるストレス的な出来事に対する情動的な反応と考えられます。気分の落ち込み、不安などの症状に加え、仕事ができない、家事ができないなど、役割機能の障害が生じます。不眠、めまい、頭痛、食欲不振、腹痛などの症状を伴うことが多くみられます。ストレスに対する正常な反応の延長線上にあるため、いささか曖昧な概念とも言えます。なお、ストレスへの反応としてうつ状態が生じ、それがうつ病の診断基準を満たしている場合は、適応障害ではなくうつ病と診断されることになります。

女性、30代前半(院長の医学的経験に基づき創作した事例)

【経過】製造現場で班長を務めており、部下の管理のみならず、企画立案能力に定評があった。その点を評価され、企画部署への異動を打診され、本人もそれを望んで異動となった。

 異動当初ははりきっていたのだが、次第に、元来企画部署で働いている社員達との能力差を実感せざるを得なくなってきた。このまま働き続けて行けるのかと不安になったが、自ら希望して来た手前、弱音を吐くことは躊躇われた。上司や同僚は親切であったが、皆、多忙であり、分からないことを一日に何度も尋ねることははばかられる状況であった。

 そうこうしているうちに、朝に出勤しようとすると動悸がするようになり、それでも何とか出勤するものの、駐車場まで来ると足がすくんでしまい、そのまま帰宅せざるを得ないこともあった。何とか出勤しても、不安や意欲・集中力の低下を感じ、実際にも仕事の効率が落ちており、単純ミスが増えた。

 仕事を離れると、強い不安に苛まれることはなく、長年続けている休日の趣味には参加できて、仲間との交流も可能であった。しかしながら、月曜日の朝になると、再び、出勤ままならぬ状態となってしまう。

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