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強迫性障害(強迫症)

 特徴的な症状は、強迫観念と強迫行為のいずれかまたは両方です。強迫観念は、反復的で持続的な思考、衝動、あるいはイメージで、侵入的で好ましくないものとして体験されます。強迫行為は、繰り返しの行動(手を洗う、確認する、など)、または心の中の行為(祈る、数える、など)であり、強迫観念による苦痛や不安を予防ないし緩和したり、何か恐ろしいできごとを避けたりすることが目的で行われます。

 患者さんはこのような観念・行為の無意味さや不合理性、過剰性を十分に認識し、なんとか制御しようと抵抗を試みるものの、不安や苦痛に圧倒されて思うように止めることができません。

女性、20代後半(院長の医学的経験に基づき創作した事例)

【経過】大卒にて入社し、寮住まいとなったが、その後、徐々に、外出前にいろいろな確認をしないと気が済まないようになってきた。たとえば、漏電が心配で、家中全ての家電のコンセントが抜いてあることを確認する。一度だけではなく、何度も確認しないと気が済まない。目で見るだけでは安心できず、手で触れて、また目で見て、それを何回も繰り返さないと気が済まない。いざ外出しようとして、確認を繰り返すと、外出できるまでに1時間ほどかかってしまう。当初は自身で確認していたのだが、見逃しがあるように感じるようになり、実家に電話を繋いで、母や妹にも確認してもらうようになった。

 また、確認行為は、家の中だけにとどまらず、公共の水道を使ったあとにきちんと栓を閉めたか心配になり、何度も確認、それだけでは安心できず、通りがかりの他人に確認をお願いして、引かれてしまうことがあった。

 寮を出てアパートで一人暮らしを始めたところ、狭い寮の一部屋に比べて、確認する項目が増えたため、出かけるまでの時間が著しく長くなってしまい、遅刻を反復するようになった。遅刻してはいけないと思っても、自分ではどうすることもできず、産業医に相談してみることにした。

強迫性障害を描いた映画

 恋愛小説家(1997)

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